2020年04月
パチ禁日記〜2週目〜
と言う訳でパチ禁生活も2週目。
特に普段と変わらず過ごしてはいますが、後1ヶ月も持つのかと不安ではあります。
それではどうぞ。
<パチ禁日記8日目>
夢を見た。
逃げ暴れるアヒル(途中で合鴨になった)を捕まえ、マックのポテトを食べさせたらアヒルの頭がバラバラになって死ぬ夢だった。
二度寝をするとまた夢を見た。
俺はドライブしている車の助手席でタバコを吸っていて、何でも鑑定団で見たエルメスのオイルライターで火をつけていたが、何故かジェットライターレベルの火が出ていた。ちなみに俺は非喫煙者である。
夜中、布団の近くに黒い物が落ちていたのでよく見てみると頭と胴が分離したカメムシの死骸があった。どうやら俺が気付かぬ内に踏んでしまったようだが、体液も出ていないし、足も無い。数ヶ月くらい経った死骸の可能性が高い。
俺はあんまり進んで虫を潰す事はしないので、少しホッとした。
頭がバラバラと言えば今朝の夢である、もしかしてアレは正夢......いや、どちらかというと虫の知らせか。
<9日目>
さあ、遂にこのパチ禁生活も1位タイになった。
これくらいパチ禁が続いたのは去年、破茶滅茶に負けた時以来であろうか。
明日、10日目を切り抜ければそこそこ長いパチンコ人生の中で一番パチンコを休止できた事になる。
外的要因が無ければバリバリにパチンコを打ち続けていたとは思うが、何とかここまで辞め続けられたのも事実。
果たして、10日目を抜けた先に新境地はあるのだろうか。
多分何も変わらねえんだろうなあ......。
ちなみに今日は......特に何も無かった。
やけに寒かったのと窓の外から見た桜が散り際だったくらいか。
それとパチンコのスペック表を見て鍛錬していた、スペック当ての牙だけは研いでおかねばなるまい。
後、最近は永井先生を良く見ている。
2007〜8年くらいの奴を見たり、最新の奴を見たり......年代はバラバラだが、深夜に2007年くらいの動画を見ると世代では無いのに謎の懐かしさが込み上げてきて変な気分になってしまうのだ。
やはり永井先生は面白い、仲間にも恵まれているし。
<10日目>
パチ禁新記録。感慨はなし。
永井先生を見る、先生が深夜に大谷池と言う心霊スポットでテントを張って夜を明かそうとしたらたまたま来た族に気付かれ、バイクをふかして威嚇されまくって涙声になっていた。
先が見えねえなあ...ツインAとか打ちたし。
<11日目>
そーれ それそれ
そーれそ!
[斬!]
そーれ それそれ
そーれそ!
[斬!]
そーれ それそれ
そーれそ!
[斬!]
おりゃ おりゃ
おりゃ おりゃ よっしゃあ!
漢 漢 漢が 燃える
それが定めよ 漢
槍もて! 弓もて!
法螺をふけ!
[斬!斬!斬!斬!斬!]
いくさは漢の華舞台
[斬!斬!斬!斬!斬!]
肉断て! 骨断て!
体かませ!
行けや松風
修羅を一騎駆け
幾千万の
敵陣目掛け斬りこめ
崩せ! 叩け! 潰せ!
崩せ! 叩け! 潰せ!
地獄の馬 戦友と駆ける
魔物に候
崩せ! 叩け! 潰せ!
崩せ! 叩け! 潰せ!
舞ってみせようぞ傾き舞い
<11.1日>
そーれ それそれ
そーれそ!
[斬!]
そーれ それそれ
そーれそ!
[斬!]
そーれ それそれ!
そーれ それそれ!
よっしゃあ!
漢 漢 漢が 惚れる
命短し恋せよ漢
うぉおお
漢 漢 漢が 燃える
それが定めよ 漢
(セリフ)
『この鹿毛と申すは、
茨がくれの鉄兜、
前田慶次が馬にて候
破っ!』
吠えろや! おらべや!
勝ち閧を
[斬!斬!斬!斬!斬!]
右手には 血槍の男伊達
[斬!斬!斬!斬!斬!]
さくらのごとくに 散りて夢
死ぬは定めか
命花と散れ!
どくろが笑う
いくさ場目掛け斬りこめ!
砕け 叫べ 揺らせ
砕け 叫べ 揺らせ
うなりあげろ 我れが槍よ
太刀の血がし吹く
砕け 叫べ 揺らせ
砕け 叫べ 揺らせ
花の慶次いざ傾き舞う
<12日目>
久しぶりにパチンコを打つ夢を見た。
後ろめたい気持ちで打っていた。
そう言えば俺は昔から、吸わないタバコを吸って“ああついに吸ってしまった”と思う夢を見るのだ。
破滅願望だろうか、禁忌とするものへの焦がれだろうか。でもパチンコはともかく別にタバコ吸いたいと思わないしなあ。
このパチ禁生活、夢を見る日も見ない日も寝起きが一番打ちたくなる。
どれくらいパチンコが日々のルーチンに組み込まれていたのかと考えるとため息の一つ二つもつきたくなるが、今現在パチンコに行っていないのでまあ良いだろうと思ってため息を引っ込めた。
俺は未来志向なのだ。
ちなみに未来志向と言うのは、過去を省みず同じ過ちをホールで繰り返しては”明日から行かない“などと考えている俺を極限まで柔らかく表現した場合に一番適切な言葉である。
<13日目>
マンションの水は不味い。
郷里が水の美味い地域だった事もあって、神奈川の水道水はそのままでは飲めた物ではなかった。
どんな味か説明すると、神奈川の水道水は口腔に含んだ時に鉄が香る。
なんとか飲み込んでも口の中に鉄は残る、感覚は口の中を傷付けた時のそれに似ている。
俺がサバイバルでもしていたならば貴重な飲み水に涙を流して喜んだ事だろうが、ここは現代日本、多少の味を求めてもバチは当たらないだろう。
と言うわけで俺は試行錯誤の結果、2つの方法を発見したのである。
まず1つ目は一度沸騰させてから冷ます方法。
これはたまたま発見した方法で、カップラーメンを食べる時に湯を沸かした後そのままにして置いた水を飲んでみたところ、鉄の味が少し柔らかくなっており、まだ飲用できる水になっていた為である。
調べてみると、煮沸をする事で塩素が分解されるとか。やはり間違ってはいなかったようだ。
しかし2、3分程度沸騰させると身体に良くないトリハロメタンとか言うのが増えてしまうとか(10分15分程沸騰させれば減少するらしい)、うーん面倒くさい。
2つ目の方法は、紙パックの烏龍茶に混ぜて飲む事である。
まずは1L入りの紙パックのお茶を半分ほど飲む、うまい。
そうしたらば消えた半分を水で希釈するのだ。
2倍希釈なら香りも味も残っている、まだまだいける。
4倍、香りは残る。
8倍、色は透明に近づく。
16倍、限りなく透明、香りは少し残るが、味はほぼ水である。
32倍、遂に臨界点を越える、紙パックに染み付いた茶の残り香だけを頼りに飲む、水道水の味がその主張を尊大なまでに強め、鉛筆のような味がする。
と言うわけで16倍希釈までなら飲める事が判明した訳だ、水道水が不味いなあと感じたら是非一度試してみて欲しい。
......以上がパチンコで負けて小銭しか無い時にやっていた、生きる為の技である。
他に88円で売っていたブルボンのチェルシーを舐めて糊口を凌いだりしていた事もあるが、それはまた別のお話。
<14日目>
今でもちょこちょこパチンコのスペックを見ているのだが、いつごろからだろうか、スペックを見ても“打ちに行きたいなあ”ではなく“こんな台もあったなあ”になってしまっている自分がいる。
まあ珍古台が根こそぎ......とまでは行かないが、根元に近い所まで刈られてしまったのは確かな訳で。
打ちたいと言う願望が懐古に変わった気持ちはこういうものなのか。
今は珍古台を打てないので、新台に注視している。
遊タイムと言う天井機能が搭載されている台が出てくるようで、パチンコの未来はまあまあ明るいと思う。
だがしかし、あの頃にあった“この店に行きたい”と言う気持ちは当然ながら記憶の彼方な訳で、行動でどうにか出来たあの頃と違って、新台が出るのを待つと言う行為では冒険心を満たす事は出来ないのだ。
待つしか出来ないと言うのは今の状況と似ている様な気がする。
今日も今日とて怠惰の至り、寝よう、寝る。
パチ禁日記〜1週目〜
<パチ禁1、2日目>
何も書いていない
<パチ禁日記3日目>
敗北を味わってから今日で3日目。
あの日から心を入れ替え、日中は般若心経を唱え、夜中は踊り念仏を日が昇るまで踊っています。
嘘です、本当なのはパチンコを打っていない事だけです。
それはともかく外は春の陽気、なんだかのどかな気分です。
パチンコでも行こうかな。
<パチ禁日記4日目>
“さよならだけが人生だ”とは井伏鱒二の名訳であるが、俺はこれをパチンコにも当て嵌められると考えた。
いくら勝とうが最終的には英世との別離があるし、何度もあった。
...ごめん嘘、さよならだけが人生とか面白くない、正直死ぬまで勝ち続けたい。俺と別れてくれるな、英世。
<パチ禁日記5日目>
イライラが止まらねえ、なんだかストレスがモリモリ溜まってやがらあ。
これ多分不要不急じゃねえだろ、必要早急だよ。
にっちもさっちもいかない。
なるほど、タバコを吸う人間は吸えない事がイライラに繋がると言うがこう言う事か。
打たなければ打たないで良いはずなのに打ちたくなってしまう俺がここにいるわけで。
刑務所の中と言う漫画で、受刑者になった作者がタバコを吸いたいのに吸えない辛さを誤魔化す為に仁丹を口腔に含み、丸めた紙をくわえて消しゴムをライターに見立ててカチッとやるシーンがあるが、あれくらい愚にもつかない事を試してみたい気分になった。
と言うわけで前々から欲しかったパチスロのアプリを買った、セール中だったのも大きい。今はクラセレを何も考えず回している。
これは代用品としては十分以上では無かろうか、後は少額でも銭さえ掛かっていれば脳汁が...なんて言うのは少しわがままか。
<パチ禁6日目>
今日はパチンコと余り関係無い話をしようと思う。
俺はキャラクターを死なせて泣かせようとする作品がすこぶる苦手である。
キャラが死んだら悲しいのなんて当たり前じゃないか、それをせずに泣かせるのが腕と言うものでは無いのか、なんて考えなので、キャラクターの死んだ先に作者のどや?悲しいやろ?今が泣き時やで?みたいなにやけた顔が見えて涙がすぅっと引いてしまうのだ。
まあ逆に言えば人を死なせずに泣かせる作品にはめちゃくちゃに弱い、ギャグ漫画で感動させる奴とかもう滂沱の至り。
さて、全く関係無い話だが、今日は山に登った。
家にいるだけだと息苦しくなってしまう、最近は運動もしてないし。
と言うわけで2、30分程度で登れる山に行こうと思っていたのだが、日が沈む前には行こうとしていたら普通にお昼寝をぶちかましてしまい時刻は夕方6時、暗い。
手持ちはiPhoneのみ、靴はクロックスである。
途中二度三度休憩しながら登ったのだが、息を吸って吐くのを素早く強く繰り返しているせいか肺が焼けつくようだ、辛い。
汗もじわりと出てきたが、これが中々さっぱりとして良い気分なのである。
夜景を何枚か撮って家に帰っても心地よい疲労感が残っていた。
実は行く前にTwitterで山に登るとツイートしたのだが“死なないで”“何が起きたのか”などと言われてかなり心配されてしまい、普段から刹那的なツイートばかりをしているとこうなるのだなと思った。
やっぱ夜の山はあんまり登らない方が良いかな......。
<パチ禁日記7日目>
パチンピック決勝戦......
俺、銀閣寺 武(ぎんかくじ たけし)は並居る強敵を打ち倒し、仇である正村 芸次(まさむら げいじ)との勝負に漕ぎつけた。
試合会場に着くと見覚えのある黒づくめの男が、あいつだ、あいつが......!
「正村ァ!!!バトエン*の恨みここで晴らす!!!」
「バトエン......?ふふ......そうか、ここまで上がってきたか、銀閣寺よ」
*バトエン=バトル鉛筆の略、サイコロのように転がして遊ぶが削ってしまうと文字や絵が見えなくなってしまい、バトル出来なくなってしまう。
「貴様が俺から借りていったりゅうおうは削られてしまったせいでなんかよく分からんキラキラした鉛筆になってしまった!!!」
「りゅうおう......?ああ、あの鉛筆に書かれていたキャラクターか」
「銀閣寺よ......お前のバトエンは中々の書き心地だったぞ!!!!ハーッハッハッハ!!!!」
「貴様!!!」
思わず殴りかかろうとした俺、だがヒトシに羽交い締めにして止められてしまった。
「辞めるっス!銀閣寺の兄ィ!」
「無限タッチセンサーのヒトシ......」
一回戦で死闘を繰り広げたヒトシは言う、ここで殴りつけてしまっては元も子も無くなってしまう、どうにかここは堪えて欲しいと。
「タッチセンサーで乱数調整をして当たりを引き寄せるオイラをビンタして技を封じた、あの時の冷静なアンタはどこに行ったんでヤンスか!!!」ビタァ!!!
ヒトシにビンタをされたお陰でクールダウンする事が出来た、これ普通にあの時の恨みもこもってないか。
「助かった、ヒトシ。感謝する」
「チッ、冷静になったか、銀閣寺よ」
「だがしかし俺の勝利は揺るがない、決勝で泣き喚くお前の姿を楽しみにしているぞ」
数時間後......
「皆さまお待たせしました!!!!」
「パチンピック決勝戦、今日遂に日本一のパチンカーが決まるのです!!!!」
「白虎の方角、銀閣寺武!!!!」ウォーッ!
「青龍の方角、正村芸次!!!!」ワァーッ!
観客の歓声は最高潮に。
落ち着け銀閣寺よ、心の乱れは敗北への近道となる。
「決勝戦で使われる台は並びで置かれた沖海4!!!1時間勝負で出玉の多い方の勝利となります!!!」
「それでは勝負......」
「始めェッッッ!!!」
二人ほぼ同時に打ち始める、1時間勝負であるからして出だしが肝心だ。
「さあ、両者とも好調な滑り出し......いや、正村選手の持ち玉がみるみる増えている!!!」
「!!!何をしたッ、正村ァ!」
「クク......」
不敵な笑みを浮かべた正村は左手を天に向かって広げた。
その手の中には釘が数本握られている。
「一般入賞口付近の釘を抜かせて貰った」
「バカな、一体どうやって?!」
「銀閣寺よ......俺の名を見て気付かないのか」
「正村......ハッ!!!」
「そう、俺の先祖は正村ゲージを作った男、正村竹一」
「この血のお陰で、釘は望めば俺の思う通りになる」
一体どうすれば宿敵正村に勝利できるのか、銀閣寺のひりつく戦いが幕を開けた。(次回に続く)